エジプトにおけるスフィンクスは、ネメスを付けたファラオ(王)の顔とライオンの体を持つ、神聖な存在である。王者の象徴である顎鬚をつけ、敵を打破する力、あるいは王または神を守護するシンボルとされている。
古王国時代には既に存在し、神格化したファラオと百獣の王であるライオンを重ね合わせたものと考えられている。
スフィンクスの像で最大最古のものは全長約73mのギザの大スフィンクスであり、その顔はカフラー(第二ピラミッドの建設者)の顔を象って作られたと言われている。大スフィンクスは「西方の守護者」として歴代の国王に信仰された。
一方、中世末期には、マムルークがスフィンクスに悪魔を見たとしてその顔面を砲撃して破壊した。中王国以降、最高神アモンの聖獣である雄羊の頭部を持つスフィンクスが建造され、神殿の守護者として前面に据えられるようになった。
なお、ギザの大スフィンクスの建設年代については、測定結果によりカフラー王の時代よりもさらに過去に遡る可能性が指摘されている。